WATERMAN'S TALK

To be ready any time any place
特別の日のために
欠かさずにやるべきことがある

今月のウォーターマン
2022年7月31日
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PROFILE

  • カイ・レニー

    Kai Lenny
    プロサーファー

現役の今、50年に一度の波に出会えた幸運への、限りない喜びと感謝の思い

WATERMAN’S TALK(今月のウォーターマン)は、毎号一人のWATERMANを紹介していく連載企画です。WATERMANの一般的な定義はありませんが、ここでは「海が大好きで、海に感謝の気持ちを持ち、海の窮状を目の当たりにして、海のために何か行動を起こしている人物」とします。14回目はマリンスポーツファンなら今や知らない人はいない、マリンスポーツのあらゆる分野で大活躍のカイ・レニーです。

マウイで生まれ育ち、休みの日はマリンスポーツ好きの両親と弟の家族4人で一日中海で過ごしたそうです。シュガーコーブという、家から歩いてビーチに行けるところに住んでいた彼にとって、そこは裏庭のようなもので、一人でトコトコと歩いて行っては遊んでいたそうです。幼少の頃からウインドサーフィンでスーパーキッズとして知られるようになり、その後次々と新しく生まれてきたスポーツにもすぐに興味を示し、カイトサーフィン、トゥイン、スタンドアップパドルと、とにかく海に関われることならなんでもやり、その全てで頭角を表すようになってきました。10代後半までにはサップサーフィン、サップレース、ウインドサーフィン、カイトサーフィンと、ほとんどの分野でワールドチャンピオンとなりながらもそこで満足することなく、さらに新しい挑戦を見つけては努力を続けてきました。

ここ数年はビッグウエイブでも他を寄せつけないほどのパフォーマンスを見せ、誰も挑もうとしないようなマニューバーを、ジョーズの巨大な波でメイクするために独特のトレーニングをしたり、またショートボードでQSコンテストにも積極的に参加し、スモールウエイブでのハイパフォーマンスを上げるためのコーチもつけて練習していると聞きます。いつ話をしても、また別の新しいことをやり始めている彼に、近況とこれからのビジョンについて聞きました。

━━━ 先日滅多に見られない、世界一早いチューブの波が割れるマアラエアのフライトトレインに、50年に一度割れるか割れないかという素晴らしい波がブレイクしましたが、2日間夜明け前からそこにへばりついて何本も信じられないライディングを決めていましたね。まずその時のことを聞かせてください。

興奮冷めやらずっていう感じだよ。ジョーズの波も年に数回しか割れないから絶対逃したくないけど、フライトトレインが最後に本性を見せたのが17年前、当時僕は13歳でそのときは乗っていないんだ。世界一早いチューブの波だということは話を聞いて知ってるけど、それを見ることは滅多にない。でもマウイで生まれ育った僕たちはいつかはその波に乗ってみたいとみんな思ってるはず。そんな波が割れて、こんなにすごいのは誰も前に見たことがないくらいのものだった。そんな波が自分たちの現役時代に訪れたことだけでもほんとにラッキーだと思う。今度割れるのが50年先だとしたらもう僕はその時80歳だから乗れるかどうかわからないからね(笑)。

━━━ その時のラインナップの様子はどうでしたか

わかってる人はうねりが来る前から狙っていた。特に昔からのローカルたちは結構朝から集まっていて目の前で割れている巨大で長いバレルを見て感動してたよ。その中には17年前に割れた時に乗ってた人たちも多くいたけど、その時の倍のサイズだって言ってた。普段は割れない場所なのでマーラエアローカルというのはいないけど、ここの波に思い入れがあって常にチェックして、小さい時でも乗ってる人たちはいる、まあバレルジャンキーだね。そういう人たちはもちろんいたし、普段あまり一緒にならないそれぞれのポイントで乗ってるローカルたちが北から南から西からみんな集まってきた感じだった。そして1日目の夕方くらいからは、オアフや他の島からも噂を聞きつけてやってきて、ラインナップには100人くらいいたよ。パイプライン並みの混雑だった。

━━━ そんな中で波を取るのは至難の業ではなかったですか?

自分がいたポジションはかなり奥の方だったのでそこから波に乗ろうとしている人は少なかった。ただみんな必死だから自分がフルスピードでチューブを抜けてくるときに、その波にドロップしてきたり、リップから降ってくるサーファーがいたから、それとの衝突だけは避けたいと思っていたよ。そのせいで怪我したり、板を追ってた人もかなりいたからね。

━━━ 確かにあんな奥から乗ってくればみんな見ているでしょうから、その波に乗ろうとする人はあまりいないかもしれないですね。フライトトレインの波は自分が想像していた通りのものでしたか?波に乗っている時の感覚はどんな感じだったんですか?

ご存知の通りマウイにはあまりチューブになる波はない。あんなに完璧にブレイクする、それも長いチューブははっきり言って初めて経験したと思う。その上自分が出せる限りのスピードで突っ走っているのに10秒以上チューブの中なんだ。こんな波がマウイにあるなんて、と信じられない思いだったし、一生のうちに今日だけかもしれないと思うと休んでなんていられなくて、できるだけ乗りたいって思ってたよ。

あれだけ混雑していてもラインナップの雰囲気はハッピーな感じだったよ。みんなここにいて、この一生に一度あるかないかの波に出会えた幸運に感謝している感じだったし、その喜びを分かち合ってる感じだった。誰もが一生忘れないような一本を乗ることができた日だと思う。ほんとにスペシャルな日だったんだ。

━━━ そうですねチューブから出てきた時に両手を広げて天を見上げたり、信じられないというような表情だったり、神様に祈るようなジェスチャーがたくさんみられて、みんなその波に乗れたことに感動している様子が分かったし、ビーチでもセットに誰かが乗るたびに、みんなが大声で歓声をあげてその凄さに盛り上がってましたね。

ジョーズで素晴らしい波を当てたときも特別だけど、それだって年に数回はある。でもあの波は50年に1回、その時にその場にいられたっていうのは本当に奇跡みたいなことで、その日にいいパフォーマンスができるようにトレーニングを積んでいてよかったとしみじみ思ったよ。

 
 

トレーニングとは、さらなる高みを目指す自分自身への挑戦

━━━ マーラエアのためにトレーニングをしてきたわけではないですよね、50年に一度の波ですから。

そう、マーラエアに限ったトレーニングではないけれど、世界一早いチューブに乗れるようなスキルを身につけるためのトレーニングは、常にどんな波にも対応できるようになるためにやっている。

━━━ トレーニングといえばカイは海でありとあらゆるスポーツをしていることがクロストレーニングになってるだけでなく、ジムでも風変わりなトレーニングをトレーナーについていろいろとやっていますよね。

海の上でなかなかできないようなことをジムでやりながら、海の上でのパフォーマンスに繋げられるように練習してることがたくさんあるよ。

目隠しをしながらのトレーニングは、それこそチューブの中やスープで全く周りが見えない時でも自分がどの状態にいるのかを把握する感覚を研ぎ澄ませるためにやっている。あとは、今はエアリアルマニューバーを完成させたいから、そのためにいろんなやり方を試して陸上でイメトレし、それを小さな波やトゥインやカイト、ストラップ付きの板などで試し、そこでできるようになったら、少しずつ通常のサーフボードでトライしたりしている。

メインランドのウエイブプールにもちょくちょく行ってるよ、あそこは同じ波で繰り返し練習するのには最高だからね。難しい技でも何度も何度も繰り返して、失敗するごとになぜ失敗したかを考えてそこを改良していくことでメイクできるようになる。と言っても簡単なことではなく、何百回、何千回とトライするんだ。できるまで続ける。それが成功の鍵。気が遠くなるほどやり続けることもあるけど、最終的にそれしか成功する方法はないから、できる限りいろんな方法を考えて試し続ける。それで今までできるようになってきてるからそれが自信にもなるし、メソッドがあるからあとはできることを信じてやるだけなんだ。

━━━ それだけ熱心に練習するモチベーションはどこからくるのですか?

簡単にいえば向上心じゃないかな。常にさらに上を目指したいんだ、それはだれかを負かすということでなく、自分自身への挑戦として。だからできないことや大会で負けることは悔しいけど、それは自分が成長するチャンスなんだと思ってる。苦しいトレーニングも、その時は苦しいけど、本番で苦しい状況が来たとき、トレーニングでそれより苦しい経験をしていたらパニックにならずに対応できる。そんなことが全て本番の役に立つ。そして本番はいつくるか全くわからない。だからいつでも最高の波で最高のパフォーマンスができるように心も体も準備しておくんだ。

今回のマーラエアではそれを実感したよ。ああ、あのトレーニングはこのチューブの中でのスピードをキープするためにあったんだとか、20メートル以上のオフショアで目潰しに遭いながらのエアードロップが決められるのは目隠しトレーニングのおかげだとか。全てがこの日のためにあったんだって気持ちになれるのは最高の気分だし、頑張ったご褒美だね。

━━━ 誰もがトレーニングとはそういうものだって頭では分かっていると思うのですが、なかなかカイほど追い込んでトレーニングするところまではいかないですよね。

最初から大量のハードなトレーニングしようと思わないことだね。海の上でもスモールステップがほんとに大事で、こんなことなんてって思っても、そういう小さいステップを積み重ねていくと、気がつけば大きな成長につながっていく。僕だって人知れず僕なりに小さなステップを踏み続けてるんだ。

 
 

自分の子供だけでなく、地域の子供たちの生き方の見本になりたい

━━━ ところで数ヶ月前、双子の女の子が生まれましたよね、おめでとうございます。子供が産まれて変わったことはありますか?

全てが変わったと言っても言い過ぎではないね。マーラエアの波も素晴らしいけど、子供を授かるということはどんなビッグウエイブよりも大きな人生の波。覚悟が必要だけど今まで味わったことのないような喜びを与えてくれてるよ。僕は家族に恵まれて育ったから、家族の愛情やサポートがどれだけ自分にパワーを与えてくれるかはよく理解してるつもり。奥さんのモーリーと一緒に、二度とないこの貴重な時間を4人で過ごして、赤ちゃんの驚くほど早い成長を見守ってるんだ。ありがたいことに冬のビッグウエイブシーズンをはずして産まれてきてくれたのは、すでに親思いの子だと思っているよ。

━━━ 現在はマウイをベースに生活している感じですね。コロナ禍でもかなり波をチェイスしていたカイにとっては珍しいことですね。

何が一番重要かを考えれば、子供がたちが産まれてからの2か月くらいを、家族優先で過ごすことに全く疑問の余地などなかった。かと言って海のことを疎かにしていたわけではない。逆に旅をしない分、トレーニングに集中できて移動時間の無駄がなかった。でも全くどこにも行ってないわけではないんだ。近場で有益なことができている。タヒチのでっかいうねりとか逃したものもいくつかあるけど、そのギャップをクリエイティブなトレーンングでカバーして、次の冬までにいろんな自分の頭の中にあるイメージを具体化して、実際にメイクするまでにもっていけるよういろんなことをやってるし、いつもと違うペースだから、それはそれですごく集中力が上がっていると感じているんだ。この冬にその成果が出せると思ってる。

━━━ 午後、家族でベビーカーを押して散歩しているのをよく見かけます。

そういう時間が気持ちの切り替えにも役立っている。休む時間、心を落ち着かせる時間が必要だと、今までコーチにも言われ続けてきたんだけど、やりたいことがありすぎて、頭の中にイメージが溢れて休むことが苦手だったんだ。赤ちゃんや家族のために散歩に出かけるようになって、コーチが言う通りいい効果を産んでいると思う。

━━━ 家族や子供を持つと、怪我をしたり命に関わるような危険なことをしなくなる、無意識に守りに入りがちになるという人がいますが、どう思いますか?

自分のやってることを評価するのは他の人だから僕はなんともいえないけど、個人的には子供が産まれたことで今までやってきたことがスローダウンするかと言ったらノーだし、それどころか、子供たちが産まれたことで父親として娘たちが誇りに思うような人間でありたい・・・海の上ではもちろん、社会的にも、人間的にも娘たちの見本になりたい・・・僕が全力でがんばってる姿を見て、自分たちも好きなことや目標に向かって努力し、周りをリスペストする人間になってほしいから、これからはなおさらがんばらなければと、やる気がむくむく湧いてくるよ。僕がやってることを見て、自分を信じて努力を重ねれば不可能はない、世界は無限大だと感じてほしいな。

━━━ どのような子供に育ってほしいと思いますか?

僕と弟のリッジは二人兄弟で性格も全く違った。彼はどちらかというと寡黙でアーティストタイプ、僕は社交的で負けず嫌い、僕は若い頃からプロアスリートの道を歩み、彼は大学でいろいろと学び、その合間に海で過ごす時間も大事にしていた。

全く違う二人をどちらも高く評価し、それぞれの個性を伸ばすべく応援してくれた両親には本当に感謝してる。お互いの違いがいい形で刺激になったし、今では一番信頼できるパートナーでもある。娘たちも生後数か月でもうすでに全く違うパーソナリティーを持ってるんだ。人間って不思議だよね。ひとりはおっとりしてのんびり屋さん。よく寝て穏やかで、もうひとりは元気でよく喋るしよく動くおてんばさん。こんな赤ん坊の頃からそれぞれの個性があるのは自然界の不思議、いくら見ていても飽きないよ。だからその個性を生かして伸び伸びすくすく育っていけるよう親としていいところをどんどん引き延ばす助けになれたらと思う。自分の子供はもちろん、地域の子供たちも僕と同じように好きなことを全力でやって、夢に向かっていってほしいから、そのお手伝いができたらと思うよ。

 
 

頭に描ける夢は必ず実現できる

━━━ すでにパイアユースセンターでカイ・レニー主催のキッズの大会をやったり、本をそこで売って、その売り上げを全て寄付したりしていますよね。他にもいろいろなキッズのイベントをサポートしてますね。

パイアユースセンターは僕も子供の頃利用していたんだ。両親が共働きだったので、どちらかが迎えにくるまでセンターでサーフィンをしたり、いろいろなアクティビティーに参加していた。親を待ちながら波の絵をたくさん描いて、自分がいつか乗りたいビッグウエイブのイメージを膨らませたり・・・放課後ぼーっと親を待つのではなく、友達と一緒にいろんなプログラムに関わり、いろんなことを学べたのは素晴らしかった。次世代の子供たちにも、いろいろなプログラムの中から自分にあった好きなことを見つけてもらえたら嬉しいし、実際ここでスケートボードを練習してプロになった子もいるよ。カメラやラジオの扱い方を学んで、そっちの方の仕事についてる卒業生もいる。

━━━ どんなプログラムがあるのですか?

スケート、サーフィン、ボディーボード、そしてシーズンにはサップレースやダウンウインド体験もある。料理のクラス、ラジオ局、カメラやビデオの撮影や編集。その他にアドベンチャーレースやコミュニティーワーク(ボランティア作業)ジュニアライフガード、ゲストでいろんな人が来て話をしてくれたりワークショップをしてくれることもある。どれもプロフェッショナルがいてしっかり教えてくれる素晴らしいプログラムなんだ。放課後、学校からスクールバスが来て、たくさんのキッズを降ろしたら、みんなウワーッとスケートパークやそれぞれの場所に駆けていくのは楽しそうだよ。そして料金も高くないし、それすら払えない家庭には、例えばスケートパークの後片付けをすることで参加費を免除したりするプログラムもあるんだ。

━━━ 素晴らしいですね。ユースセンターだけでなく、カイはビーチで小さなサーフキッズやブギーボードを持ってる子を見かけると、自分から気軽に声をかけたり、友達みたいに接したりして、キッズたちはアイドルから声をかけられたような顔してるのをよく見かけるし。がんばってるキッズがいると一緒に海に出ないとか誘って一緒にセッションしてますよね。ああいった経験がどれだけキッズにとって大きなことで刺激を与えてるか計り知れないと思います。

僕もそうだったんだ。いつも海にいると先輩たちが声をかけてくれたし、いろいろ教えてくれた、次に進むべき道を切り開いてくれた。ジョーズの波に乗りたいという夢はおそらく10歳になる前から持っていて、三輪車とスケートボードでトゥインごっことか弟とやってたけど、実際に15歳の時にレアード・ハミルトンとデイブ・カラマが僕のところに来て、明日行きたければ連れていくぞと誘ってくれた時の嬉しかったことといったら・・・忘れないよ。お父さんが許可したら連れていくと言ってくれて、祈る気持ちで父の方を見たら、「レアードとデイブがOKだっていうのにダメとはいえないよな」と笑って許可してくれたんだ。そして翌日実際ジョーズに行ってみたら、それまでにずっとイメージを浮かべ続けてきたから初めて乗った気がしなかった。イメージ通りにばっちり乗れたんだ。

僕がここまでがんばってこられたのはそういった先輩、彼らよりさらに上の先輩たちが波乗りの素晴らしさや海の偉大さを示してきてくれたから。それを受け継ぎ、さらに新しい楽しみ方や見方を切り開き、自分の次の世代に繋げていくことは僕の義務であり、任務だと思うんだ。ハワイではそれをクリアナというんだ。僕のクリアナは海の素晴らしさを多くの人に伝え、人間のポテンシャルの高さを、無限にある可能性を、できるだけ引き出してみせること。人間は自然の前でほんとに無力でちっぽけだけど、でもだからといって捨てたもんじゃない。自分の持ちうる限りの知力、体力、精神力を駆使してその自然の素晴らしさと向き合うことで、人に人生の素晴らしさを感じてもらえれば嬉しいな。

━━━ 若者に伝えたいメッセージはありますか?

夢は大きければ大きいほどいい。そして頭に描ける夢はかならず実現できる。だからいろいろと描き続けて大きな夢を実現してほしい。自分もそうやってきた。小さな目標でもそれを達成できたら、少しずつ目標を大きくしていけば、だんだん夢が叶うっていうことが理解できるようになってくる。そうしたらこっちのものだよ!

 
 

◎インタビューを終えて
本人が覚えているかどうかわからないけれど、カイがまだ9歳の頃にインタビューしたことがあって、そのとき彼に将来何になりたいかを聞いたところ、彼は恥ずかしそうに海に関する発明家になりたいと言っていた。彼の意味するところは当時レアード・ハミルトンがトゥインという波乗りの方法を考え出してビッグウエイブに乗っていたように、自分も今まで人がやっていないような方法で波乗りをしたり、海に関する新しいスポーツなどを生み出したいということだ。

9歳の少年が夢に描いていた将来は今想像を遥かに超える形で実現されている。
彼は今まで出てきた新しいマリンスポーツ全てにおいて世界のトップクラスの実力を持ち。ビッグウエイブで誰もやろうとしないようなエアリアルマヌーバーを描き、フォイル旋風を全世界に巻き起こした。フォイルでの波乗りだけでなく、ウイングフォイル、ダウンウインドフォイルとフォイルだけでもありとあらゆる楽しみ方が生まれ、驚くべきスピードで進化している。彼の強みはどんなことにも周到な準備を重ねること、そしてその準備が実を結ぶチャンスが必ずやってくると信じていることだ。

常に準備を怠らず、いつ何がきてもそれに対応できるようギアをチューンし、体を鍛え、精神力を研ぎ澄ませる・・・だかららこそ急に50年に一度の波がマーラエアにやってきたときに、誰よりも素晴らしいパフォーマンスをみせることができたのだ。全ては努力と準備、失敗は準備の一つ・・・失敗があるからこそ本当に大事な時に失敗がないよう準備を再チェックできる・・・これからも彼は頭に描く夢を実現するために準備を怠ることなく、さらなる夢を実現させていくはずだ。(岡崎友子)