JWA REPORT

WATERMANとして、じっとしていられない…… JWAならではのユニークなSDGs活動がスタート!

INTELLIGENCE
2021年6月22日
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海洋プラスチックごみとCFRPの問題に着目

環境問題の深刻さが極限に達していると言っても過言ではない今、JWAではWATERMANとしての自覚を持って、海と向き合ってきた仲間に声をかけ、意見を出し合い、自分たちにできることから積極的に取り組み始めています。

その中から、JWAならではのユニークな2つの活動を紹介します。

一つは「オーシャン・クリーン・プロジェクト」。これは、海上に漂うペットボトルなどのプラスチックごみを、ウインドサーファー一人ひとりがオリジナルの袋を身に付け、ウインドサーフィンを楽しみながら回収するというもの。その成果は「WATERMAN’S PRESS」で発信し、他のメディアの協力も仰ぎながら活動の拡大を図っていきます。

ウインドサーファーたちが海上で回収したプラスチックごみを、マリンスポーツを経験したことのない皆さんが見たら、こんなにも海上に浮かんでいたのかと驚かれることでしょう。こうしたプラスチックごみが、いつかはマイクロプラスチックとなって海の生物に影響を及ぼし、ひいては私たちの健康をもおびやかします。

JWAでは、ウインドサーファーのみならず、様々なマリンスボーツ愛好家の皆さんに、「海に入ったらプラごみ回収」を習慣づけるとともに、多くの人々に海洋プラスチックごみ問題を実感してもらえたらと考えています。なお、このプロジェクトは、鎌倉市、逗子市、葉山町の「協力・後援」も得られており、ウインドサーファーである各首長肝いりのプロジェクトとしてスタートします。

また、オーシャンクリーン・ビーチクリーンで回収したごみが一体どこから流れてきて、どこに流れていくのかを考えないと、根本的な解決には至りません。そこでJWAはJEANの推進する国際海岸クリーンアップ(通称:ICC)活動の趣旨に賛同し、海洋ゴミ調査活動を行うことも決定しました。ICCとは一つにつながっている海のごみ問題解決に向けて、海辺や水中の散乱ごみの正体を知るための国際的な海洋環境活動です。

そして、もう一つの活動は、静岡大学とのタイアップ・プロジェクトです。静岡大学工学部物質工学科の岡島いづみ助教授の研究室では、炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRP)をリサイクルするための技術を開発し、注目を集めています。CFRPは、強くて軽いといった利点から、これまでの金属に代わる素材として、自動車の車体やゴルフクラブのシャフト、釣竿など多様な分野で使用されていますが、実はウインドサーフィンのボード・マスト・ブームにもこの素材が使われています。

しかし、CFRPは素材特性からリサイクルができず、廃棄物の増大による環境悪化につながることから、リサイクル技術の開発が急務とされてきました。静岡大学では、この社会課題に取り組み、炭素繊維とプラスチック部分をそれぞれ分離・回収することに成功、回収後のプラスチック部分を樹脂として再利用できるよう実用化を急いでいます。

今回、JWAでは、破損等で使わなくなると、粗大ごみとして廃棄するしかなかったウインドサーフィンの道具のリサイクルを図るべく、同研究への社会的な理解の拡大を求めて広報協力を行っていく予定です。

JWAでは、今後ますます環境問題に関連した多彩な活動を展開していくことで、ほんの少しでもSDGsの達成に寄与できたらと考えています。読者の皆さんには「WATERMAN’S PRESS」の定期的なチェックを通じて、JWAの活動に関心を持っていただけたらと思います。